
【宜野湾】米軍機の騒音実態を調べている琉球大学工学部の渡嘉敷健准教授は14日、昨年12月に米軍の部品カバーが落下した宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園(神谷武宏園長)の屋上に騒音測定器を設置した。米軍が部品落下を認めず、県警の調査が進まない中、測定により米軍の飛行ルート外にある同園の騒音環境や米軍機の飛行実態を明らかにすることで、事故の原因究明につなげる。
設置費用は今年3月に亡くなった元沖縄大学学長の新崎盛暉さんの著書の印税を原資とした新崎盛暉平和活動奨励基金を活用した。
測定器は1秒刻みで測定ができ、1週間に1回データを回収する。渡嘉敷氏が米軍普天間飛行場の周辺で測定器を設置するのは琉大工学部、宜野湾市立普天間第二小学校に続き3カ所目。今後各地の騒音データを基に各教育機関の騒音環境や米軍機の飛行ルートを明らかにしたい考えだ。
渡嘉敷氏は「騒音を面的に調べることで、米軍機がどう飛んでいるかを調べる。今後は各市町村の教育委員会に理解を得て設置費用を負担してもらい、各学校における騒音を測定し、教育環境の保全につなげたい」と語った。
来月7日で落下事故から1年が経過するが、原因究明は進まないまま、園上空を連日米軍機が飛行している。神谷園長は「本来であれば、沖縄防衛局や宜野湾市が騒音調査をするべきだと思うが動いてくれない。米軍機の飛行や騒音の実態を知ってもらえる意味での設置はありがたい」と話した。