小説で琉球史と対話を 講師 朝井まかてさん(作家) 琉球フォーラム


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朝井まかて氏

 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・玻名城泰山琉球新報社社長)が14日、沖縄県那覇市のダブルツリーbyヒルトン那覇首里城で開かれた。直木賞作家の朝井まかて氏が「歴史との対話」と題して講演し、史実を基に想像を広げていく自らの創作について語った。薩摩侵攻や琉球処分など、沖縄の苦難の歴史や現状についても触れ「このまま黙っているつもりはない。いつか必ず琉球を舞台に小説を書き、その歴史と対話したい」と強調した。

 朝井氏は1959年大阪生まれ。コピーライターをしながら49歳で作家デビューし、江戸時代を舞台にした時代・歴史小説を多く手掛けてきた。ペンネームの「まかて」は沖縄出身の祖母(故人)の名前を使用している。

講師の話に聞き入るフォーラム会員ら=14日、那覇市のダブルツリーbyヒルトン那覇首里城

 歴史小説について「ある時代に生きた人々が何を感じ、決断し、どう動いたのかを考えて書く。当時の価値観を基に想像する必要がある」と説明した。

 琉球王国について「ヤマトや東アジアの文化を取り入れつつ発展した。自分たちの文化に対する誇りや自信があったからこそ、その柔軟さを持っていた」と話した。