【今帰仁】琉球エコプロジェクト(今帰仁村、安里和夫社長)の食品の加工場施設が15日、同村天底に完成した。施設は酵素を使って植物の細胞壁を分解する「酵素処理単細胞化」という手法でピューレを製造する。同様の技術を用いた商業生産は国内初で、ことし12月に本格稼働を予定する。
「酵素―」は植物の細胞自体は破壊しないため栄養分のロスが少なく、消化吸収率の向上などの利点がある。施設ではニンジンやヨモギ、ジネンジョなどの加工ができる。スムージーなど飲料のほか、離乳食や介護食などへも活用できる。月産約40トンを見込んでいる。
施設は床面積約290平方メートルの1階建てで、酵素処理の機械などを備えている。総工費は設備費も含めて約3億円。同社は衛生管理基準HACCP(ハサップ)の取得に向けて準備を進めているという。
15日、施設で落成式典が開かれ関係者約60人が完成を祝った。安里社長は「近隣の農産物をここから県内外に発信していきたい」と意気込みを述べた。