涙と笑顔 家族に感謝 新成人19人、万感スピーチ 石垣・白保


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モーヤーを踊り、新成人の門出を共に祝う家族や親戚、同級生ら=4日、白保公民館

 【石垣】石垣市白保の新成人が家族や地域に感謝の言葉を伝える成人激励祝賀会が4日、同市の白保公民館で開かれた。多くの地域住民に見守られる中、白保で生まれ育ったり、ルーツがあったりする新成人19人が1人ずつマイクの前に立ち、これまで育て、支えてくれた家族らへの思いをスピーチした。普段は聞くことができない感謝の言葉に、会場は涙と笑顔に包まれ、新成人の門出を共に祝った。

 白保の新成人によるスピーチは毎年の恒例行事。涙で言葉を詰まらせながらスピーチする新成人も多く、ティッシュの箱を片手に登場する新成人の姿に会場から笑いが起こる場面もあった。1人のスピーチが終わるごとに家族や親戚、同級生らが入り交じってモーヤー(カチャーシー)を踊り、晴れの日に花を添えた。

 波照間大輝さん(20)は「普段はお互いにぶっきらぼうで素直になり切れないので、この場で感謝の言葉を話したい」と前置きして、男手一つで育ててくれた父に感謝を伝えた。時折涙をこらえながら「これからもたくさん迷惑をかけると思うが、最後には恩返しできるように頑張りたい」と話した。

 豊里由梨香さん(19)は反抗期だった中学生の頃を振り返り、「あの時はお父さんのことが本当に嫌いだった」と話しながらも、「(今は)家族5人で本当に幸せだと感じる。いっぱい思い出をつくりたいから、ずっと元気でいてください」と涙ながらに語った。

 保護者らも新成人の横に立ち、ハンカチを手に成長した子どもの姿を見守った。保護者を代表して柳田裕行さん(55)があいさつし、「20年はとても早かったが、白保でしか経験できない貴重な年月を過ごせたと思う。成人しても一生懸命応援することには変わらない。地域のためにその力を発揮してくれることを願っている」とエールを送った。

 4日には石垣市民会館で市内全域の新成人を対象にした市主催の式典も開かれ、465人の新成人が参加した。