キングス圧倒 連勝 北海道に88―54 Bリーグ第42戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区)は3日、沖縄市体育館でレバンガ北海道(東地区)と今季第42戦を行い、88―54で圧倒し、連勝した。キングスの通算成績は27勝15敗となった。

琉球ゴールデンキングスのファン感謝パーティーで、ブースターと握手をする岸本隆一(手前右)

 序盤からハードに入ったキングスは、素早い重圧を掛ける守備でスチールを何度も決めて得点を重ねた。得点を狙う場面では積極的にシュートを放ち、攻め続けるシーンでも味方のフリーをつくるなど冷静さも忘れず、前半で43―17とダブルスコア以上の大差をつけた。後半は、修正してきた北海道に対して押され気味な時間帯もあったが、34点差で退けた。

 次戦は9、10の両日、沖縄市体育館で富山グラウジーズ(中地区)と対戦する。

 3日の試合後にはファン感謝祭も行われ、1523人のファンが参加した。真剣勝負の試合とは異なり、柔和な笑顔を見せる選手らにファンは楽しみ、プレゼントの当選者はひときわ喜んでいた。

(沖縄市体育館、3310人)
キングス(27勝15敗)
 88―54(21―10,22―7,26―20,19―17)
北海道(10勝32敗)

 【評】長身の外国人選手を要する北海道に対し、キングスは素早いヘルプなどで得点させず、スチールからの速攻などで一気に引き離した。攻撃も外角に加えてペイントエリアもしっかり攻めて、序盤から差を広げていった。後半は初歩的なミスで流れを止める部分もあったが、攻守で北海道を圧倒した。

◆選手の自信になる

 佐々宜央HC(キングス)の話 東地区最下位の北海道だが、橋本と並里が抜けた状態で連勝できたのは選手も僕も自信になる。ただ、良い部分もあるが、甘んじてはいけない部分もある。

◆琉球が上回っていた

 内海知秀HC(北海道)の話 琉球の強い部分がわれわれを上回っていた。試合データを見ても、リバウンドなどの強さで琉球が相当上回っていた。

◆攻守に積極性戻る

キングス―北海道 第2Q、3ポイントシュートを決めるケビン・ジョーンズ=3日、沖縄市体育館(上原修撮影)

 東地区最下位の北海道に対して、西地区首位のキングスがホームで2連勝。2日は多くの課題が露呈したが3日は、北海道の212センチの外国人ビッグマンの得点力を抑えつつ、ケビン・ジョーンズのスチールからの速攻や内外からの攻撃で引き離した。橋本竜馬や並里成が不在の中での連勝。岸本隆一は「2人がいないからとの理由で負けるのは許されない。皆がハードワークすることで勝利に結びついてよかった」と明るい表情を見せた。

 北海道との2連戦は想定していた攻撃展開ではない部分もあったが、3日は「シンプルとアグレッシブさを忘れなかった」(岸本)と、積極的なプレーが目立った。守備のチームらしく相手ガードへ激しく重圧をかけてミスを誘う。攻撃は各選手がバランス良く得点に絡み、速攻で13得点、ペイントエリアでは36得点、攻撃時のリバウンドから20得点と圧倒的な強さを見せた。

 その中でもややプレーに迷いが見えたのが田代直希。「いつもと異なる役割に対応しきれず、ボールを持ちすぎてミスしたり、相手のスイッチの隙をつけなかったり。やり残した部分がある」と反省する。

 しかし、落ち込んではおらず「遂行力が落ちた時にミスは生まれる。だからこそ自分は周囲を見つつ、もっと『我』を出していく」と切り替える。「連敗の山場を越えた今、チームは上向いているし、自分はいたってポジティブです」。次戦以降も前向きなプレーは変わらない。
(嘉陽拓也)