【東京】政府は5日、小型無人機ドローンの飛行禁止区域に自衛隊や在日米軍施設上空を追加したドローン規制法の改正案を閣議決定した。ドローンを使ったテロへの対応を想定しているが、報道機関の取材活動が大きく制約されるとして日本新聞協会や民放連が反対や懸念を示している。県内でも米軍基地などの取材で制約を受ける可能性がある。
山本順三国家公安委員長は会見で「報道機関の取材活動を制限するという意図は全くない」と強調し「各省庁で適切に運用される」として理解を求めた。
一方、日本新聞協会は「国内法が適用されない米軍への取材活動は大きく制約され、当局の発表に関する真偽の検証もできなくなる恐れが強い」と指摘している。内閣官房は、取材目的のドローン飛行は同意する原則と説明するが、新聞協会は「その前提は制度上明文化されておらず、公的機関が合理的な理由なく飛行同意を拒否する恐れがある」と強い懸念を示している。
法案は首相官邸、原子力事業所上空などの飛行を禁じている現行法に、ラグビー・ワールドカップ日本大会や東京オリンピック、パラリンピック会場のほか、自衛隊や米軍などの防衛関係施設を加える。
飛行禁止の対象となる防衛施設と、その周囲300メートルが規制範囲となり、飛行には原則として司令などの施設管理者の同意が必要となる。違反した場合には1年以下の懲役、または50万円以下の罰金を規定。警察官や海上保安官に加え自衛隊施設を警護する自衛官による排除措置も規定した。