社会

「障がい者の模範に」 島袋勝弥さん、就労事例でMIP賞 宇部高専准教授(うるま市出身)

「アイシー!・ワーキング・アワード」でMIP賞を受賞した宇部工業高等専門学校准教授の島袋勝弥さん(右)と賞を主催するネクストビジョンの仲泊聡理事=神戸市中央区の神戸アイセンター

 沖縄県うるま市出身で宇部工業高等専門学校(山口県)物質工学科准教授の島袋勝弥さん(41)がこのほど、視覚障がい者の優れた仕事の事例やアイデアを表彰する「アイシー!・ワーキング・アワード」(ネクストビジョン主催)で、「就労事例部門」のMIP(モスト・インクルーシブ・プレイヤー)賞に選ばれた。島袋さんは視力が徐々に悪化する「網膜色素変性症」を患いながらも自らの工夫や周囲の協力を得て教壇に立ち続けている。「自らの事例を通じ、障がい者のロールモデルになりたい」と受賞を喜んでいる。

 島袋さんは、東京工業大大学院で研究を始めた22歳の時、網膜色素変性症と診断された。その後も研究活動を続け、2012年に宇部高専に就いた。16年には右目はほとんど見えなくなった。左目も視野が2度と狭く「針の穴から世界を見渡す感じ」(島袋さん)というほど視力が悪化し、休職を余儀なくされた。

 リハビリを経て18年4月に職場復帰すると、ハンディを補うため、講義はプロジェクターを使って平易な内容に努め、試験もマークシート方式を取り入れるなど工夫を凝らした。高専側も校内に点字ブロックを設け街灯を増設するなど島袋さんの復帰を支えた。研究活動も精力的で、18年には共同執筆した論文が評価され、日本生物物理学会年会で表彰された。今回の受賞はこれらの取り組みが評価された。「本人の能力や意欲に加え、周囲の適切な支援があれば、可能性は無限に広がるのだと改めて感じた」と講評している。

 島袋さんは「障害者差別解消法によって当事者への『合理的配慮』が求められるようになったが、当事者自ら意思を伝えなければ配慮は生まれない」と指摘。「意思を伝えて周囲の理解を得て、法律の趣旨を活用することで共生社会につなげていきたい」と持論を述べ、障がい者自身が意識改革する必要性を強調した。