「無関心、加担につながる」 踊り子の牧瀬茜さん 辺野古の新基地建設に抗議 舞で表現


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
辺野古新基地建設で土砂投入への抗議の意思を舞で表現する踊り子の牧瀬茜さん=25日、東京都内の首相官邸前

 【東京】沖縄県名護市の辺野古新基地で新たな区域に土砂が投入された25日、東京都内で踊り子(ストリッパー)として活躍している牧瀬茜さん(42)は首相官邸前の座り込み行動に参加し、全身で舞うダンスで抗議の意思を表した。一昨年に辺野古の海を「人魚になった気持ちで」全裸で泳いだ姿は写真家の牧志治さんが撮影した。東京での写真展を通して辺野古の海の美しさを広く県外に訴えている。「辺野古の海には人が踏み入ってはいけないように感じるところがある。非力な人間が機械を使ってその領域を侵している。人間は自分の命をも粗末にしているのではないか」と警鐘を鳴らしている。

 東京・浅草でストリッパーとして舞台に立つほか、芝居にも出演している。自分ならではの表現として全身を使って表現する方法を続けている。官邸前の抗議行動では、辺野古の海のたゆたう流れを泳いでいるかのように、両手で左右に大きく流れをつくって舞った。

 20年ほど前、普天間飛行場の移設先に辺野古が取り沙汰された頃、アースデーのイベントでジュゴンブースに足を踏み入れたのがきっかけだった。それから辺野古にも通い始める。初めは他の人たちと一緒になって座り込むだけだったが、請われて今年から辺野古のゲート前でも舞を見せるようになった。

 辺野古に通うのは「基地があると戦争にもつながる。戦争のない世界にしたい」との思いから。しかし本土では「しょうがないと思う人も多い。無関心が圧倒的かもしれない」と表情を曇らせる。「私たちの税金で人の命を奪う基地を造るのは私たちも加担することになる」

 「辺野古の海を人魚として泳いでみないか」。大浦湾を全裸で泳いでみた。「本土の人もみんなで、あの海を泳ぎに行けたらいいのに」。そうなれば本土の無関心もなくなるのではないか。そう思いながら沖縄にまた赴く。
 (滝本匠)