10連休 保育どうする?「仕事休めない」「保育士の処遇改善を重視したい」 板挟みの保育現場 沖縄県内7市1町の公立園は臨時開園


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 4月27日~5月6日と異例の10連休となる今年のゴールデンウイーク。暦通りには休めない保護者を支えようと、7市1町は12日までに、公立の保育所・こども園の臨時開所や一時預かりを決めた。一方、保育士不足の中、処遇改善で充実した保育の提供につなげようと、暦通りの休みを決めた自治体も多い。預け先のない保護者から「沖縄では10連休を取れる人は少ない」「保護者が仕事をやりくりしなければならないのはおかしい」などの声が上がっている。

 琉球新報社は9~12日、県内41市町村に対し、公立の保育所・こども園が原則休園となる28日~5月6日の対応を確認した。那覇市、名護市、沖縄市、宜野湾市、うるま市、豊見城市、糸満市、与那原町で臨時開所や一時預かりが決まっている。

 宜野湾市の担当者は「サービス業や観光業に従事する人に配慮した」とし、4月30日と5月2日の2日間、保育所2カ所を開所する。那覇市は3日間、天久保育所と天久こども園を開ける。担当者は「保育士を公休日に出勤させるのはかなり厳しい、という声が現場にはあった。しかし、どうしても仕事を休めずに困っている家庭を救いたい、との思いもある」と複雑な事情を打ち明けた。

 暦通りの休園を決めた市町村にもそれぞれ事情がある。

 浦添市には3月中旬以降、「連休中も開園しているか?」などの電話が20件ほどあった。担当者は「どうすべきか悩んだが、2年前に保育園の働き方改革宣言を出している。保育士の処遇改善が、長い目で見ると充実した保育の提供につながるとの結論になった」と説明する。預け先のない保護者には、ファミリーサポートセンターを紹介しているという。

 西原町の担当者は「各園で子ども1~2人預かりのニーズはあるが、そのために開けるのは難しい」とし、過去の7連休時も問題はなかったと説明した。

 「村内の公立3園で合同一時預かりも検討したが、希望者が少なく見送った」(宜野座村)など、ニーズ調査を踏まえて休園を決めた自治体もあった。

 預け先のない保護者からは、不満の声が上がっている。4歳の息子がいる中城村の会社員、新垣翼さん(36)は「本土の大企業や公務員と違い、10連休など取れない」と嘆息。「預けられる所がないので、妻が会社に頼み込んで休みを取った」と話した。