<政策点検・衆院沖縄3区補選>教育・子育て 子の貧困対策、手法に違い


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 沖縄県が昨年8月に実施した第10回県民意識調査で、重点的に取り組むべき施策として「子どもの貧困対策の推進」を選んだ人が最多となり、県民の危機感が浮き彫りになった。

 子どもの貧困対策について、屋良朝博氏(56)=無所属・新=は県政との連携を掲げ、島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦・新=は重点政策の一つとして前面に押し出している。

 屋良氏は「経済的な理由から進学を断念する子どもが多い」と指摘する。県が実施する高校生のバス通学の援助や、県外大学進学の給付型奨学金などの施策を支援し、県政と連携を図る考えだ。

 島尻氏は深刻な子どもの貧困の連鎖を断ち切るため「自治体やNPOなどの事業者と協力し、子ども食堂や居場所づくり、相談体制を強化する」と訴える。保護者の支援拡充にも取り組むとする。

 千葉県野田市で発生した小4女児死亡事件では、虐待の初期に行政や学校が把握していたにもかかわらず、幼い命が奪われた。県内の虐待の相談は増加傾向にある。虐待防止対策について、両氏共に児童相談所との連携の安定化や体制強化を挙げる。

 屋良氏は、県の進める児童虐待防止条例の制定を後押しする考えだ。「虐待を受けた子どもへの支援の充実にも取り組む」とした。

 島尻氏は、相談支援体制の強化と職員の資質向上を図るとし「子どもの命を守ることを最優先にあらゆる手段を尽くす」と強調する。

 子育て世代が関心の高い教育や人材育成については多様な施策が示された。

 屋良氏は、基礎学力の定着を柱としながら、「学力偏重ではないバランスの取れた教育が人材育成に不可欠だ」との考えだ。

 島尻氏は、名桜大の教育改革と工科大学の設置を推進する。「OISTとの連携で人材育成を県内で完結させる」とした。