10連休の沖縄県内はどうだった? 観光業、銀行、スーパー、飲食業 それぞれの対応


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最大10日間の大型連休に、沖縄こどもの国で遊ぶ親子連れ=沖縄市

 10連休となった今年のゴールデンウイーク(GW)が終了し、県内各地の商業施設や観光地は県民や観光客などでにぎわいを見せた。大型連休の突入前には「どれだけの人が訪れるのか見当が付かず、土産物の在庫をどれだけ発注すればいいのかなど手探り状態」(観光施設経営者)と、過去に例がない長期休暇に各業界の受け入れ対応も初物尽くしとなった。県内の事業者は連休に合わせて従業員を確保するなど準備を進めた。
 

 他部署から応援  観光業 

 連休中の県内ホテルの稼働率は高く、人員の確保に追われた。
 ホテルパームロイヤルNAHA(那覇市)では4月29日~5月3日はほぼ満室状態。フロントや客室清掃の人員不足に対応するため、他部署から応援を受けて業務に当たった。同ホテルの担当者は「通常の土曜日の稼働率が8日間続いた感覚だ」と振り返った。
 ニッポンレンタカーサービスは、4月27日から5月2日まで貸し出しピークが続いた。1台の車が1日に2回使われるなど、稼働率が100%を超える日もあったという。本島の9営業所で事前にアルバイトを15人雇い人員を補充し、営業時間後も人員を配置するなど例年以上に対応を強化した。

 

 ATM順調に​  地銀3行 

 10日連続で営業窓口を閉じた地銀3行とも、大型連休中の現金自動預払機の現金切れなどトラブルはなかったという。
 琉球銀行は7日朝から、税金や公共料金の支払いなどで多くの人が本店や各支店を訪れた。本部から支店に応援を派遣し、大きなトラブルはなかった。担当者は「通常よりも多かったが想定の範囲内だった」と話した。
 沖縄銀行も朝から多くの利用者が訪れた。担当者は「感覚的には通常の月末の1・5倍~2倍くらいの多さだ」と説明する。10連休中も海外市場は通常通り動くために、事前に対応策を細かく練っていたが大きな値動きはなかった。
 連休中に勘定系システムの移行をした沖縄海邦銀行は、窓口は閉まっても、機器の入れ替えなどで関係する行員が全店舗で休日出勤して対応した。7日は25人程度を支店に派遣して、顧客誘導などに当たった。

 

 人員不足なし  小売業 

 大型店舗を抱えるサンエーとイオン琉球は、連休中も従業員は通常通りの体制で勤務に当たった。サンエーの担当者は「繁忙期には売り場に応じて人員を増加することもあったが、普段と同じ勤務体系を基本にした」と語る。イオン琉球は大規模店の一部で派遣社員を受け入れたが、各店は既存の従業員を中心に業務をこなし、大きな混乱もなかった。両社ともに在庫不足などのトラブルも報告されていない。
 沖縄ファミリーマートは、各店でアルバイト従業員に対して普段よりも多めに出勤するようお願いするなどして、大型連休を乗り切った。担当者は「大型連休のたびに省人化や無人化の取り組みを急がなくてはと感じる」と話した。
 ローソン沖縄は、金融機関が休みになるため釣り銭が足りなくなる事態も懸念していたという。担当者は「不安はあったが、事前に多めに用意するよう本部から呼び掛けた。今のところ釣り銭が不足したという報告はない」と語った。

 

 書き入れ時に  飲食業 

 沖縄観光の定番となったステーキ店は観光客や地元客で書き入れ時となった。「やっぱりステーキ」を展開するディーズプランニングは、釣り銭を普段の6倍近く多めに用意し、材料もまとめて発注して大型連休に備えた。利用客の多い店舗で従業員を増やして対応し、義元大蔵代表は「落ち着いた後に従業員の連休確保を考えている」と話した。
 ブルーシールを運営するフォーモストブルーシールの担当者は「観光客が共に増加し、大きな経済効果があった」と振り返った。
 野菜や花を供給する市場は連休中も通常通りの営業だった。沖縄協同青果の担当者は「港関係や配送業者には通常営業を事前に伝えていたので、混乱なく営業ができた」と話した。