クロマグロ漁獲停止 資源管理 県命令、きょう発動


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水揚げされたクロマグロ=2012年、那覇市の泊魚市場

 県は17日、2019年度の大型クロマグロ(本マグロ)の漁獲量が県が管理する「知事管理量」の95%となる108・3トンを超える可能性が高いとして、沖縄近海でのクロマグロの水揚げとその流通販売を禁止する「採捕停止命令」を出した。効力は18日に発動し、漁期が終わる7月31日までクロマグロの漁獲はできなくなる。国際的な資源保護のため本年度の沖縄近海の漁獲可能量が大きく減り、漁期を2カ月以上残して今期のクロマグロ漁が終了することとなった。

漁期2ヵ月以上残し

 県がクロマグロの採捕停止命令を出すのは初めて。県漁業協同組合連合会の上原亀一会長は「漁獲制限は全国で取り組んでいることなので、歩調を合わせていきたい」と述べた。一方で、県内漁業者からは経営の影響を訴え、漁獲可能量の拡大を求める声も上がっている。

 国は太平洋クロマグロの資源管理に関する基本計画で、19年度に国の管理する「大臣管理量」として362・6トンの国内全体の漁獲枠を設定。これと別に都道府県ごとに配分する「知事管理量」として、沖縄近海では重さ30キロ以上の大型クロマグロを127・2トン、30キロ未満の小型クロマグロを0・1トンまでしか水揚げしてはいけないと制限を設けている。

 18年度4~7月の沖縄近海の知事管理量は190トンで、県漁連によると、はえ縄漁を中心とした県内漁業者のクロマグロ漁獲量は189トンだった。県による採保停止命令はなかった。

 クロマグロは国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧に指定された。中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)はクロマグロの資源回復・管理のため15年からクロマグロの漁獲規制を始め、各加盟国に漁獲可能量を定めている。