石垣陸自きょう工事再開 防衛局 カンムリワシ「支障ない」


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配備予定地周辺上空を旋回するカンムリワシ=2月28日、石垣市

 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、沖縄防衛局は24日、国指定特別天然記念物カンムリワシの営巣活動が確認されたとして4月下旬から中断していた重機使用の工事を、25日に再開すると公表した。有識者の意見を踏まえ、工事を再開しても営巣に支障がないと判断した。再開後は、大きな機械音が突発的に出るような作業を控えるなどの保全対策を実施するとしている。

 防衛局によると有識者から突発的に大きな機械音が発生するような作業は避けるべきだが、工事現場と距離が離れているため支障はないとの意見が示されたという。「中立的立場を確保する」ためとして、有識者の氏名は公表していない。

 防衛局は市と対応を協議した上で再開を決定した。中山義隆市長は取材に対し、「市としても調査・監視などを継続し、営巣に影響がないように対応したい」と述べた。

 一方、日本野鳥の会石垣島支部事務局長の小林孝さん(63)は「営巣に影響がないとの裏付けがない。島全体でカンムリワシの卵は減っており、貴重な卵の一つだ。たとえ影響があっても誰も責任を取らないだろう。最悪の決定だ」と憤りをあらわにした。