保育士の子、優先入所 「越境」、沖縄県と市町村が協議


この記事を書いた人 大森 茂夫

 待機児童解消の施策として県と市町村が、認可保育所などで働く保育士の子どもを優先し自治体の枠を超えて入園させる「越境入園」実施の方向で協議していることが1日までに分かった。保育所は原則として居住市町村でしか利用を申請できないが、国は昨年、子ども・子育て支援法を改正し、保育所の広域利用を促している。県内では保育士不足が問題となっており、全県的に優先入所させることで未就学児を持つ保育士の復職を後押しする狙い。

 県子育て支援課によると、広域利用や保育士の優先入所は既に一部の自治体で実施されている。ただ、2017年度の保育士の子どもの広域利用は6市町村で10人にとどまる。以前から一部の自治体からは、保育士の子どもの広域利用のため県に調整を求める声が寄せられていたという。

 昨年10月、県と待機児童を抱える22市町村で構成する県待機児童対策協議会が発足。同11月に初会合が開かれた。県が協議会で保育士の子どもを全県的に優先入所させるよう提案したところ、参加自治体から異論はなかったという。県内全市町村と本年度中の合意を目指す。同課の担当者は「どれほどの効果があるかは未知数だが、できる限り早く全県で実施できるようにしたい」としている。