遺族への賠償問題、負傷者の治療など詳細に 宮森小ジェット機墜落事故 米公文書の翻訳集を刊行


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刊行された資料集「石川・宮森の惨劇」を手にする石川・宮森630会の久高政治会長=1日、うるま市の石川歴史民俗資料館

 【うるま】石川・宮森630会は1日、翻訳資料集「石川・宮森の惨劇 米国公文書館文書に見るジェット機墜落事件」を刊行した。60年前に旧石川市の住宅地や宮森小に墜落した米軍機の事故について、米国立公文書記録管理局(NARA)が保有する琉球列島米国民政府(USCAR)の関係資料を翻訳した。遺族への賠償問題や負傷者の治療に関わる報告などが詳細に記述されている。

 保坂廣志、長嶺將春の両氏が監修を務め、2018年6月から翻訳作業に着手した。事故機の操縦士が管制塔や別の操縦士と交信していた記録や、事故の原因を「整備不良」と結論付けた調査報告書、琉球政府と米空軍の会議の議事録なども収められている。

 630会の久高政治会長は「これまで分からなかった事実が明らかになった。大変意義深い本だ」と語った。

 同書は税込み2千円で初版は千部発行。うるま市の石川歴史民俗資料館で開催中の平和資料展で購入でき、書店での販売も計画している。