岩屋毅防衛相、飛行停止求めず 「米軍、既に対策」 米軍部品落下事故


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
岩屋毅防衛相

 【東京】沖縄県浦添市立浦西中学校で発生した米軍ヘリ部品落下事故を巡り、岩屋毅防衛相は6日の衆院安全保障委員会で「改めて点検整備、安全管理を徹底するよう米側に強く申し入れていく」と述べた。飛行停止については、米軍が既に対策を講じているとして求めない立場を示した。また、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設が「唯一の解決策だ」と改めて強調した。

 委員会では度重なる米軍機からの落下事案について、県関係の国会議員から政府の対策に実効性が伴っていないことを追及する質疑が相次いだ。

 赤嶺政賢氏(共産)は米軍の再発防止策が機能していないことを批判し「住民の安全を最優先に、辺野古の問題と切り離して普天間の運用停止に踏み切るべきだ」とただした。岩屋氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設が「唯一の解決策」だと説明した。

 下地幹郎氏(維新)は、2017年12月の宜野湾市立普天間第二小学校でのCH53ヘリ窓落下事故を取り上げた。当時、日本政府と米側が米軍機の学校上空での飛行を避けると申し合わせたにもかかわらず、同じCH53からの落下事案が学校内で発生したとして「学校上空を飛ばないことを決めることができないのか」と疑問視。岩屋氏は「(米側に)さらに強く申し入れたい」と答えた。

 今回の部品落下を受け、政府は安全管理などを米軍に申し入れたが飛行停止要求には踏み込まなかった。照屋寛徳氏(社民)が「飛行停止を強く抗議すべきではないか」と求めたのに対し、岩屋氏は米軍が落下した回転翼用のゴム製テープを取り換えるなどの対応策を講じているとして「われわれとしては改めて点検整備、安全管理を徹底するよう米側に強く申し入れる」と否定的な考えを示した。