離島球児 雨ニモ負ケズ 高校野球順延で出直し 負担増も思い人一倍


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 高校野球の第101回全国選手権沖縄大会は23日、雨天のため、3球場で予定されていた1回戦計6試合が順延となった。22日に続き2日連続の順延。県高野連は第1日の試合計6試合は7月1日に、第2日に当初予定していた計8試合は同2日に行うと発表した。開会式を含む土日の試合には離島チームの出場が集中していたため、監督らは航空便や宿の調整などに追われた。

試合の順延が決まり、チケットの手続きに訪れる人たち=23日午前、沖縄セルラースタジアム那覇

 23日は早朝から大雨が続いたため、県高野連は試合開始予定の午前9時直後には順延を決めた。遠方からのチームに配慮し、早めの決定だった。本島のチームが軒下でバント練習などをする傍ら、離島チームは帰り支度を始めた。

 例年、移動の便宜を図り、離島勢の初戦は開会式のある週末に優先的に組まれる。今回は第2日までに宮古総実、宮古、宮古工、久米島、八重山商工、八重山、八重山農林の計7校が予定していた。本島遠征には同郷の関係者らからの支援もあるが、航空費や宿泊費など1選手2万~3万円の負担は避けられない。八重山商工の上原拓監督は、父母会役員と航空便の「早割」予約を確認しながら「選手にはアルバイトはさせられない。保護者にお願いするしかない」と雨粒に顔をしかめた。 宮古工のエース宮城凌我は、「(離島のハンディがあるからこそ)有終の美を飾るとの思いは人一倍。来週までつなぎます」と気持ちを切らさない。強豪・興南と対戦する宮古総実の根間聖斗主将は「親のためにも食らい付き、いい試合をしたい」と前を向いた。

 県高野連の又吉忠理事長は「開幕から2日連続の順延はこれまでにないかも」と話す。23日時点の沖縄気象台のホームページでは、次の試合日29、30日の那覇市の降水確率は20~30%。又吉理事長は「台風の心配もある。これ以上は延ばしたくない」と祈るように空を見上げた。