沖縄県渡嘉敷村の前島で航空自衛隊が「永久承諾」とする取り決めを根拠に災害派遣訓練などを実施していた問題で30日、村、空自・陸自、前島郷友会が那覇市内で会合を開き、前島の訓練使用について議論した。訓練再開や前島使用について結論は出なかった。座間味秀勝村長は会合後、本紙の取材に対し「村としては訓練を再開させるべきだと考えている」として、初めて村の方針を示した。
座間味村長は訓練について「訓練は災害派遣など、島民だけでなく国民全体に必要なもの。その訓練の適地として前島が選定され、使われた経緯がある。そこを郷友会の方にも理解してもらい、その上で再開していきたい。互いが納得できる形にしたい」と話した。
会合で座間味村長は「住民や島の利用者に影響がないよう調整しなければならない」とした上で、訓練の範囲や内容などを示した計画書の作成を自衛隊に求めた。村は今後、作成された計画書を受けて、郷友会と再度協議していく予定。
郷友会は、前島の訓練使用に反対の意思を村に伝えている。会合後、中野衛会長は「村との協議には応じる」としながらも「(訓練使用は)反対だ」と話した。
前島では2000年から、空自那覇基地が村に毎回の訓練通知をせず、年100回以上の災害派遣訓練を実施していた。