米軍、PFOS含む消火剤を産廃施設に廃棄 地域の地下汚染の要因か 地位協定で国内法適用されず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍普天間飛行場から出た泡消火剤約142トンが2014、15年の2年間で沖縄市池原の産業廃棄物処理会社「倉敷環境」(現・倉敷)に搬入されていたことが4日までに分かった。同社付近の地下水からは、県が18年度に実施した調査で高濃度の有機フッ素化合物PFOSやPFOAが検出されている。これらは米軍が使う泡消火剤に含まれていたため、汚染が米軍廃棄物に由来していた可能性が出てきた。

 PFOSを含む泡消火剤は、国内では化学物質の審査および製造等の規制に関する法律(化審法)に基づき製造メーカーが回収して適正に処分されるが、米軍は日米地位協定で国内法が適用されず、県は泡消火剤がどのような流れで処分されたか把握していないことも分かった。

 米政府が公開している在沖米海兵隊による産業廃棄物管理票(マニフェスト)によると、泡消火剤は「普通の産廃」に分類され「廃アルカリ」として搬入された。県環境整備課の比嘉尚哉課長は4日の県議会土木環境委員会で「PFOSは廃棄物処理法で定める有害物質には含まれていない」とし、申告内容に違法性はないとの認識を示した。一方、化審法ではPFOSは有害物質とされ、メーカーによる回収処分が義務付けられているとも説明した。県環境部はPFOS汚染問題が発覚して以降、米軍に同物質の使用・管理履歴を開示するよう求めているが情報提供は受けていない。

 管理票によると、普天間飛行場の泡消火剤は14年12月に28トン、15年7月に114トンが関連会社「環境ソリューション」に搬入され、倉敷環境で埋め立てられた。付属文書には15年の搬入分にPFOSは含まれていないと記載しているが、PFOAの有無は記載していない。