「喜劇の女王」仲田幸子さん来年引退 劇団は9月終了


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「お客さんの喜ぶ顔を見ると芝居をやめるのがつらくなる」と話す仲田幸子さん=5日、那覇市松山の「仲田幸子芸能館」

 「喜劇の女王」仲田幸子さん(85)が、自身が旗揚げした劇団「でいご座」としての活動を、9月16日に沖縄市民会館で開く敬老の日公演で終了する。現在仲田さんが活動の拠点にしている那覇市松山の「仲田幸子芸能館」も2020年5月末に閉店し、仲田さん個人の芸能活動も終える予定だという。

 仲田さんは「1人で演じられても、劇を教えることが体力的に難しくなった」と話した。その上で「お客さんが喜ぶ顔が好きで舞台を続けてきた。芝居を本当にやめきれるか、と考えることもある」と語った。

 仲田さんは1933年那覇市生まれ。47年に南月舞劇団に入団し、仲田龍太郎さん(2011年死去)と出会い、結婚。鶴劇団やときわ座などを経て1956年に龍太郎さんと劇団「でいご座」を旗揚げし、座長として一座を引っ張ってきた。舞台では機知に富む即興のせりふやギャグで、観客を沸かせた。でいご座は、映画やテレビの人気に押されて一時休演したこともあったが、仲田さんは電波や映像の世界でも人気を集め、再び脚光を浴びた。

 うるま市から敬老の日公演のチケットを買いに店を訪れた照屋春美さん(50)、健人さん(13)親子は「芝居も笑いの間もうまい。90歳まで続けてほしかった」と仲田さんの活動終了を惜しんだ。