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なぜ?増える釣り禁止 港は本来、漁業者のため 釣りマナー、安全守って

 釣り禁止を明示する漁港が増加しているが、もともと港は漁業者のために整備された施設で、港内の釣りはこれまで「黙認」されていた。漁港だけでなく、県内のあらゆる釣り場において管理側が釣りを許可しているケースは少ない。釣り場として有名な防波堤やビーチも、管理側としては「黙認」していただけという事例が大半だ。

 釣り人のマナー向上の啓発活動も行っている、安里川ファンクラブの高嶺太一さん(39)は「禁止を明示されていない場所での釣りは注意が必要だ」と語る。

 事故が発生した場所は安全上問題があると認識され、釣り禁止となってしまう。釣りをする際は、安全確保のため必ずライフジャケットを着用し、草履やスリッパではなく滑らない靴を履くこと。歩行者や車両、船舶の通行や天候の変化など常に周囲を確認する癖をつけること。万が一に備えて携帯救急セットを持ち歩くことを徹底したい。

 高嶺さんは「釣り場に限らずポイ捨てをしないことが第一歩。逆に釣りをしながらごみを拾って環境保全につなげたい」と話す。

 釣り場の大半が「黙認」というグレーゾーンとなっている一方で、釣り文化の振興・促進として、港湾内の施設や防波堤を利用する動きが全国的に進められている。国交省はことし2~3月にかけて、青森港や山口県・下関港など、全国で13カ所の港湾を「釣り文化振興促進モデル港」として指定。釣りを観光資源として利用すると同時に、事故防止やマナー向上などにつなげる考えだ。

 県内に指定港はないが、公共の釣り場を設けてほしいという要望が高まっている。

 県内で釣り禁止場所が増加していることに対し、釣りができなくなることを危惧した釣り人が有志で勉強会を行った。「釣りのルール・マナーを考える勉強会」が5月12日、那覇市の漫湖水鳥・湿地センターで行われ、県内の釣り愛好家約40人が参加した。

 おのおのが体験した釣り場での事例を確認し、釣り禁止場所がこれ以上増えないためにはどうしていくか、解決策が話し合われた。「釣り人同士が声掛けなどのコミュニケーションを取り、ごみの放置などを防ぐ」「釣り具は買った店で包装をはがし、捨ててもらう」「啓発の動画を作成する」など、さまざまな意見が出た。

 釣り人同士での啓発も盛んになっている。勉強会にも参加した金城太志郎さん(43)は、毎年イカを対象とした大会「烏賊人(いかんちゅ)パーリー」の主催者の一人でもある。10回目の開催となった2018年は、初心者や子どもを含む200人以上が参加した。大会終了後は必ず清掃活動を行い、参加者のマナー向上を図っている。

 金城さんは「海に囲まれた沖縄は釣りをするには恵まれた環境で、釣りを通して子どもたちや仲間との絆を深めてきた。みんなの笑顔をなくさないためにも、自分たち釣り人が環境を守らなければいけない」と語った。

 梅雨が明けて本格的な夏が始まり、釣りを始めたいと思う人も多いだろう。初心者に限らず、長年の愛好者もしっかりとルールやマナーを再確認し、釣りを楽しみたい。

(仲本文子)