美里工・富島の5打点で読谷に勝利 【高校野球沖縄大会準々決勝】


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美里工―読谷 美里工5回 先頭で打席に立ち本塁打を放つ富島力斗=15日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(新里圭蔵撮影)

 初戦から二桁安打を続けている美里工打線がこの日も14安打13得点と爆発した。特に4番の富島力斗が4安打5打点と大暴れ。「みんないっぱい打っていたのは良かった。(自分の打撃は)すべて良かった。100点つけてもいいかな」と笑みがこぼれた。

 二回、宮城由侑の三塁打で先制するとその後は毎回得点で、打線は下位まで間断なくつながった。中でも気を吐いたのは富島。「詰まらないようコンパクトに振る」と広角に打ち分け、2打席目からは全てで得点に絡んだ。五回には「完璧だった」と自賛する一振りで内角低めの直球を右翼スタンドにたたき込んだ。

 二塁打を出せばサイクルヒット達成となる七回の第5打席には遊撃手を強襲する鋭い打球で出塁。サイクルは逃したが「ゲッツーになりそうだったので抜けてくれて良かった」と振り返った。

 初戦から毎試合で打点を挙げる頼れる主砲に神谷嘉宗監督は「パワーもあり、バットコントロールもいい。打撃はチーム1」と褒める。「走者を返すことが4番の仕事」と言い切る富島。次戦は何度も対策を練ってきた宮城大弥擁する興南だ。「絶対に打ち崩して、甲子園へ行く」と何度もイメージしてきた相手といよいよ対戦する。

(屋嘉部長将)


◇読谷、攻守のミス響く

 5年ぶりの準々決勝となった読谷だったが、美里工に1―13と大差をつけられた。比嘉秀策監督は「きょうは攻守でミスが多かった」と唇をかんだ。3回戦で11得点と爆発した打線だったが「変化球でタイミングを崩された」(古堅鈴太郎主将)と4安打に抑え込まれた。走者を出しても、走塁ミスなどでチャンスをつぶしてしまう。守備で5つの失策が出るなど、ここぞの場面でのミスに苦しんだ。

 勝ち上がると強豪との連戦が想定された今大会で、1回戦敗退も覚悟はしていた。1戦1戦チームは一つになって、勝ち進んだ。古堅主将は「苦労したこともいっぱいあったが、いい経験ができた。後輩には来年はもっと勝ってほしい」と思いを託した。