「歴史に残る試合」 延長十三回、一進一退の試合に激戦に客席湧く 高校野球決勝


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チームの攻撃時に声援を送る沖縄尚学の応援団=21日、沖縄セルラースタジアム那覇

 沖縄尚学が興南を下して5年ぶりの甲子園出場を決めた第101回高校野球全国選手権沖縄大会。21日、決勝の舞台となった沖縄セルラースタジアム那覇では両チームの応援席から選手に声援が飛んだ。延長十三回までもつれ込む激戦を制した沖尚の応援団は「チーム一丸となっての勝利」と喜びを爆発させた。惜敗した興南の応援団は「歴史に残る試合を見せてくれた」と選手をねぎらった。

 主将としてチームを引っ張り、決勝点となる押し出しの四球を選んだ沖尚・水谷留佳(るか)選手の父・昌裕さん(47)は「日本一を目指してやってきた。甲子園でもしっかりやってくれるはず」と期待を寄せた。保護者会の代表を務める仲宗根忍さん(51)は「揺るぎない王者の興南に勝つために選手は頑張ってきた。チーム一丸となっての勝利だ」と声を弾ませた。

 3年生で応援団長を務めた野球部の新里佳哉(よしき)さん(17)は「炎天下での応援を想定して、夏でもジャンパーを着込んでこの日に備えてきた。思いに応えてくれた」と笑顔を見せた。

 一進一退の攻防の末、惜しくも敗れた興南は、左腕エース宮城大弥選手が十三回まで1人で投げきった。大会の全試合に登板した宮城選手の父・亨(とおる)さん(51)は「最後は疲れも見えたが、歴史に残る素晴らしい試合を見せてくれた。今はご苦労さん、と声を掛けてあげたい」とユニホーム姿の息子を誇らしげに見つめた。