生や加熱不足の鶏肉料理はダメ! カンピロバクター食中毒が増加


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1分間湯引きした後の鶏レバー。食中毒事例の調理方法を県食品衛生監視員が再現(県衛生薬務課提供)

 生や加熱不足の鶏肉料理などによるカンピロバクター食中毒が県内で多発傾向にある。昨年発生した食中毒29件のうち約半数の15件がカンピロバクター食中毒だった。沖縄県や那覇市によると、今年も7月17日現在で既に7件発生している。県衛生薬務課は飲食店が業務多忙で加熱が不十分だったり、客が半焼けを要望したりするなどして食中毒が発生していると分析している。同課は8月の「食品衛生月間」に合わせ、啓発用のうちわ3千部を配布するなどし、発生の撲滅を目指す。

 同課によると、カンピロバクター食中毒は10年に15件発生し、その後は10件未満で推移していたが、16年に増加に転じ10件発生した。17年16件、18年15件と多発し、17年、18年は食中毒全体の約5割を占めた。今年も食中毒発生数11件の約6割がカンピロバクター食中毒となっている。

 カンピロバクターはニワトリやウシの腸内にいる細菌で少量でも食中毒が発生する。市販鶏肉は付着している可能性が高いという。食後1~7日で下痢や腹痛、発熱を発症するが、熱に弱いため十分加熱調理することで食中毒を防止できる。

 県薬務衛生課は「まれに重傷化することもある。発生すると営業停止になり、補償も発生するので、店は十分に加熱調理をすること。客も万が一、半焼けのものが提供された場合は、焼き直しを求めることが望ましい」と呼び掛けた。