宮古島にトレーラーハウス200台設置へ 宿泊や飲食店に活用 オーシャンリゾート


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トレーラーハウスを利用した宿泊施設のイメージ図

 宮古島市でホテルやゴルフ場などを経営するオーシャンズリゾート(島尻千洋社長)は、同市で好景気の影響などから住居、宿泊施設、店舗の不足が続く状況を解消しようと、8月からトレーラーハウス事業を開始する。トレーラーハウス150台を6月末に中国から輸入しており、建設業者、清掃業者の寮、移動店舗、宿泊施設などに活用する。9月には50台を追加する。10月には宮古空港南側の敷地にトレーラー30台を並べ、屋台村を運営する計画を立てている。

 トレーラーハウスはトラックなどでけん引でき、居住環境や水道・電気設備などを備えた車両。オーシャンズリゾートが宮古島市に輸入した車両は、日本の道路交通法にのっとったブレーキシステムを採用し、県内での使用に耐えられるよう塩害対策を施した。水道、電気などの設備は日本製品を利用している。

 島尻社長は「災害時の緊急的な宿として県内外で利用してもらうこともできる」と活用の幅が広いことを指摘する。

 車両は中国山東省のJEKEEN(ジェーキーン)が製造し、台湾の業者を通じて輸入した。オーシャンズリゾートの関連会社TRACAN(トレキャン)が昨年12月に日本総代理店の業務提携契約を交わした。ジェーキーンはトレーラーハウスを月3千台製造できる工場を有し、欧州などへの輸出実績がある。

 輸入した車両の一部は既に貸し出しており、本格的な運用を8月中に開始する。料金は月5万円から。借り手はほぼ決まっている。宮古島市での運用状況を踏まえながら、全国への販売、リース事業を展開する計画も立てている。複数の県外企業から合計で数百台規模の引き合いが来ているという。

 7月末から車両を活用して子どもの教育や成長を支援する社会貢献活動を実施している。県外の上場企業4社の協力で栄養機能食品やスポーツ用品、おもちゃ類などを子どもたちに提供している。今後、月に1度子どもに無料で食事を提供する「子ども食堂」のイベントを実施する予定。

 島尻社長は「トレーラーハウスを活用し、宮古島で深刻化している住宅や宿泊施設、店舗不足を解消したい。子どもたちの学びや成長を支援する活動など、さまざまな形で展開していきたい」と事業の展望を語った。