経済

スマホがレンタカーの電子キーに 受け渡し時間の短縮で、観光客の受け入れ体制の課題解決を目指す

 大手自動車部品メーカーの東海理化電機製作所(愛知県、三浦憲二社長)が9月にも、那覇市内に新規事業を立ち上げる拠点を開設し、県内で実証実験に乗り出すことが22日までに分かった。クルーズバースの整備が進む本部港を舞台に、レンタカーを借りる観光客らのスマートフォンに遠隔から電子鍵を受け渡す実験を検討している。沖縄を訪れた観光客がレンタカーを貸し借りするのに要する時間の短縮や効率化が目標で、今年12月の実験開始を目指している。

 東海理化は、自動車のドアロックの施錠や解錠ができる鍵(電子鍵)の役割をスマホに持たせる独自技術を開発した。電子鍵は携帯電話用の通信回線であるLTEを通じてやりとりするため、車の貸し借りの際に対面しなくても鍵の受け渡しができる特徴がある。

 大型クルーズ船の寄港時には一度に数千人単位の客が降りてくることが想定され、受け入れ体制が課題となる。東海理化で新規事業を担当する下地修一郎氏は「通信で鍵を渡すことにより、レンタカーを借りる待ち時間を減らせる。滞在時間を有効活用し、観光消費の増加につなげたい」と意気込む。

 東海理化は連結の売上高5千億円、社員数は1万9千人を超える。自動車のロックシステムのほかステアリングホイール、シートベルトなど多様な関連製品を製造・開発している。一方でライドシェア(相乗り)の広がりなど車を持たない「脱所有」の流れを受け、大手自動車メーカーが「移動サービス会社」へ転換を進める中、同社も得意技術を使った新規事業の開拓を進めている。

 新規事業を立ち上げる場として沖縄に注目し、観光業と情報通信技術(ICT)を融合させた「リゾテック」による沖縄の課題解決を目指す。同社は「沖縄には同業社も少なく、新しいことに取り組むのに適している。われわれも大きな挑戦となる。地元にお金が落ちる構造をつくりたい」と語った。