議会がマスメディアに抗議をしてはいけないというものではないが、萎縮効果を生みかねず、少なくとも慎重さは必要だ。抗議するにはそれだけの意味合いが求められる。ただ今回の採決結果は与野党で割れ、数が多い与党の意見でそのまま議決された。報道弾圧につながりかねないことは明白だ。
決議内容についても野党から、放送のどの部分を指しているのかと指摘されている。事実に即した報道を求めるのなら、きちんと正確に表現すべきだ。議会の議決がどれだけ重いものか考えているのだろうか。
このようなことが重なれば、報道機関がそれこそ忖度(そんたく)を始めることが考えられる。石垣島では、自衛隊配備について今後も議論されていくことだろう。今回のようなことがボディーブローのように効いていくことを意図しているのではないか。
全国的にも、報道について批判的な雰囲気は醸成されている。「NHKから国民を守る党」が出てきてから、特にNHKは標的にされやすい状況も生まれており、この種の動きが全国的に広がりかねないとの懸念はある。萎縮して取材をやめるのではなく、むしろ取材を継続していくことが大事だろう。(メディア論)