洗車場に行列、空港でキャンセル待ち…台風通過も沖縄県内混乱


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台風17号の影響を受け洗車待ちの車列ができたガソリンスタンド=22日、浦添市大平

 大型の台風17号が過ぎ去った県内では22日、空や海の便で一部欠航や遅れが出たほか、本島北部や離島の一部で停電が続くなど連休中日の県民生活に引き続き影響があった。建造物への大きな被害や土砂災害は確認されなかったが、各地では台風後の後片付けに追われる人々の姿が見られた。

 那覇空港事務所によると22日午後8時までに、福岡や宮崎など九州に向かう便を中心に那覇空港を発着する29便が欠航した。航空各社によると、少なくとも乗客約4千人に影響が出た。23日は福岡行きなどで臨時便を運航する予定という。

 海の便は、那覇市の泊港から座間味村に向かうフェリーと高速船全便が欠航したほか、本島と離島などを結ぶ83便が運航を取りやめた。23日は早朝に運航判断するとしている。

 停電は名護市や本部町、離島の伊平屋村、伊是名村、粟国村で沖縄電力による復旧作業が続いたが、午後までには解消された。

 那覇空港では欠航のため臨時便を待つ利用客や、23日の便の変更手続きをする人々で混雑した。欠航のため21日の北大東便に搭乗できなかった大学生の田港麗雅(うるみ)さん(19)は「今日から大東宮祭が始まる。屋台の手伝いをしながら島の人と話せたらと思って楽しみにしているのに」と話し、キャンセル待ちの整理券を手に番号が呼ばれるのを待っていた。

 福岡県から家族旅行で訪れた男性(30)は「帰りの便が欠航になり、23日の便の手続きをした。今からホテルを取らないといけないし、お金の負担も増えて大変だ」と話した。

 那覇市内の街頭では、道路や玄関先に散らばった葉や枝、倒木などを掃除する住人の姿が多く見られた。浦添市のガソリンスタンドでは、午前7時の受付時間を前に洗車を待つ車が並んだ。従業員がせわしく声を上げ、車の誘導に追われていた。最も混雑した時間帯には十数台を超える車が店を取り巻くように列をなし、午後4時現在で200台の車が洗車機を利用した。店舗によると、受け付け終了の午後10時ごろまで車列は途絶えないという。

 同店の海勢頭昇主任(36)は「洗車台数は平常時の5倍。従業員も2人増員して対応している。天気の回復次第だが2、3日は混雑するはずだ」と話した。