那覇市、1519万円交付受けられず 子の貧困対策で文書不備


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那覇市役所

 那覇市が2018年度の「小学校入学準備金支給事業」で県の「子どもの貧困対策推進交付金」から受ける予定だった約1519万円を、市の事務ミスにより受けられなかったことが24日、分かった。交付に必要な事業成果報告書で、交付対象となる事業費の大部分が漏れていたため。市は同事業の不足分を一般財源で補った。県から受けられなかった交付金は別事業で受けられるよう調整している。

 市教育委員会学務課が24日に開かれた市議会教育福祉常任委員会で報告し、おわびした。同課は原因について「新規事業で参考となる前年度の資料がなく、計算方法が複雑化していたためミスに気付かなかった」と説明した。再発防止に向け「これまで1人だった担当者を増員し、複数人で事務を行うことでチェック体制を強化する」と述べた。

 小学校入学準備金支給事業は入学前の子どもに1人当たり4万600円の準備金を支給する。対象の子どもは499人。事業費は約2100万円で、そのうち約1519万円を県子どもの貧困対策推進交付金から充てる予定だった。

 市監査委員による18年度決算などに関する審査意見書でもこの問題を指摘し、適正な財務管理に努めるよう求めている。