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米軍、フーシ派再攻撃 レーダー基地にミサイル 報復の連鎖に懸念


米軍、フーシ派再攻撃 レーダー基地にミサイル 報復の連鎖に懸念 イエメンでの空爆に参加するため、離陸する航空機。米中央軍が12日、Xに投稿した(米中央軍提供・ロイター=共同)
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 【ワシントン共同】米軍は、イエメンの親イラン武装組織フーシ派のレーダー基地1カ所を現地時間13日未明に攻撃したと発表した。米軍単独で行い、駆逐艦カーニーが巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。米英両軍は同12日にもフーシ派支配地域を攻撃しており、米軍は「追加措置」だと説明した。フーシ派も12日、ミサイル1発を発射した。報復の連鎖に陥る事態が懸念される。
 バイデン米大統領は12日、東部ペンシルベニア州で記者団に対し、米英軍の攻撃で「民間人の被害はなかった」とし、攻撃が成功したとの見方を強調した。フーシ派が紅海で商船攻撃を続けた場合は「必ず報復する」とも述べた。フーシ派を支援するイランに対し「既にメッセージを送った」と説明したが、詳細は明らかにしなかった。
 フーシ派幹部は中東メディアに対し、13日の攻撃で死傷者は出ていないとし「直ちに報復する」と表明した。
 米統合参謀本部のシムズ中将は、現地時間12日の攻撃では軍事拠点など28カ所にミサイルなど150発以上を撃ち込んだと説明。1カ所につき弾薬庫やレーダー、無人機など複数の標的があったとし、フーシ派が無人機や対艦弾道ミサイルなどによる大規模攻撃を行えなくなったと説明した。
 フーシ派が12日に発射したのは対艦弾道ミサイル1発で、船舶の被害はなかったとし、米英両軍の攻撃に対抗したとの認識を示した。英海事機関によると、イエメンのアデン湾沖で民間船舶に対しミサイルが発射されたとの情報が寄せられた。
 国連安全保障理事会は12日、米英両軍のフーシ派攻撃について協議する公開会合を開催。ロシアは「国連憲章違反だ」と非難し、米英は「航行の自由を守るための自衛」だと正当化した。
イエメンでの空爆に参加するため、離陸する航空機。米中央軍が12日、Xに投稿した(米中央軍提供・ロイター=共同)