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脱炭素の沖縄交通議論 島づくり会議 乗り合いや徒歩提案


脱炭素の沖縄交通議論 島づくり会議 乗り合いや徒歩提案 CO2ゼロのゆたかな島づくり会議で脱炭素社会の交通の在り方を議論する参加者ら=21日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 CO2の排出を抑えて持続可能なまちづくりについて考える「CO2ゼロのゆたかな島づくり会議」の第3回会合が21日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で開かれた。市民の意見を行政に反映させる沖縄版気候市民会議を目指す試みで、計4回開催の第3回目は、脱炭素社会における理想の交通の在り方について考えた。
 前半は、バス利用を促進する「バスマップ沖縄」主宰の矢田貝哲さんや、まちづくりファシリテーターの石垣綾音さんが、県内の公共交通の現状や課題について報告した。後半ではグループごとに、50年後の交通をイメージし、それに向けて、今できることを議論した。
 矢田貝さんは、運輸部門のCO2排出は自動車が最も多いことを紹介。車社会の沖縄では、駐車場が併設された大型商業施設など車利用が前提のまちづくりにも触れ、環境負荷の低い移動手段として「まず自分の足で移動し、車以外の移動手段を活用してはどうか」と話し、バスやタクシーなどの公共交通の利用を提案した。
 石垣さんは、移動の多様性の確保の面から公共交通の大切さを強調。ハワイの事例を紹介しながら、まちづくりに交通からのアプローチが必要であるとし、全ての利用者にとって安全、便利で利用しやすいことを目指す概念「コンプリートストリート」を紹介した。「沖縄でこの概念を広めていきたい」と話した。
 グループ討論では「車の入れないエリアをつくってエコタウン宣言する」「アプリを使って歩く機会を増やす」「カーシェア(乗り合い)が気軽にできるコミュニティーづくり」など、活発な議論でさまざまな意見が出た。
  (慶田城七瀬)