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社会問題を笑いに変え 陸自配備、辺野古新基地… ウーマン村本さん 渡米前、石垣で公演


社会問題を笑いに変え 陸自配備、辺野古新基地… ウーマン村本さん 渡米前、石垣で公演 社会問題を笑いに変え爆笑を誘う村本大輔さん=20日、石垣市民会館中ホール
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 【石垣】お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔さん(43)が20日、石垣市民会館中ホールで、渡米前県内では最後となるスタンドアップコメディーを披露した。赤ちゃんを抱いた親子連れから高齢者まで約200人の市民が来場した。辺野古新基地建設や八重山で進む自衛隊増強、原発、北朝鮮の「ミサイル」発射などの社会問題を笑いに変え、会場を爆笑の渦に包んだ。
 名護市辺野古の新基地建設の是非を問う県民投票で7割が反対したが、当時の安倍晋三首相が「真摯(しんし)に受け止める」と言いつつ、埋め立て工事を強行したことに言及。村本さんが首相に異を唱える発言をして所属する吉本興業にクレームが殺到。社員は残業で対応に追われた。自身も発言を控えるよう求められたが「真摯に受け止めます」と言って流したエピソードを披露し、会場を沸かせた。
 石垣市でも若者が中心となって、陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票実施に向け多くの署名を集めたが、市長が実施しないことに対し「数を知られるのを怖がっている人がいる」とくぎを刺した。
 高校歴史教科書検定で「集団自決」(強制集団死)の日本軍強制の記述が削除・修正された問題に自身の学歴を絡め「俺は高校中退だけど、高校勇退と言っていいのか」と笑いを誘った。予定時刻を45分上回り、2時間15分間しゃべり倒した。
 娘の光(ひか)琉(る)さん(12)と訪れた米盛早紀さん(45)は、今回が3回目の観覧で「今までで一番面白かった」と満足した様子だった。 (照屋大哲)