「わずかな気の緩みで…」 水難事故相次ぐ 水深関わらず「必ずライフジャケット着用を」 沖縄


「わずかな気の緩みで…」 水難事故相次ぐ 水深関わらず「必ずライフジャケット着用を」 沖縄 ライフジャケットを着用する子ども(イメージ)
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 子どもの重症患者を治療する県立南部医療センター・こども医療センター(南風原町)は今年、海で溺れた子どもをすでに3人治療した。いずれも呼吸困難で人工呼吸器を気管に挿管する処置をした。「ごめんね」と泣き崩れる親の姿を見てきた医師らは「溺水(できすい)は防げる。対策を取ってほしい」と声をそろえる。

 同センターでは、コロナ禍が深刻だった時期に溺水は皆無だったというが、今季は5人が搬送されてきた。そのうち子どもは5月に1人、8月の同日に2人だった。

 救急集中治療科の新里盛朗医師は「ライフジャケットを着けていないのが共通点」と指摘。水深にかかわらず事故は起きるという。「わずかな気の緩みで、親も子も人生が変わってしまう」とも。

 集中治療を施した子ども3人は、人工呼吸器を外して退院できたが、死亡や、脳に障がいを負うこともあり得る。

 小児集中治療科の藤原直樹部長は「子どもは思いがけない行動をする。親が目を離さないのも限界がある」と語る。予防策として、ライフジャケットの着用と、監視員のいるビーチの利用は必須とし、「ホテルが宿泊客に注意喚起を」とも提言する。

 (宮沢之祐)