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少年院発達障がい 支援強化 法務省、処遇指針改定へ


少年院発達障がい 支援強化 法務省、処遇指針改定へ 少年院の処遇ガイドラインの改定イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

法務省は17日までに、発達障害がある少年院の在院生の支援を強化するため、2016年に策定した職員向けの処遇ガイドライン(指針)を来年度にも改定する方針を固めた。発達障害や虐待などの影響で成長に課題があるものの、適切なサポートがなく、非行に及んだ少年は少なくない。
新たな指針では、個々の特性に応じた指導をより充実させて成長を促し、退院後、円滑に社会生活になじめるようにする。
関係者によると、現行の指針は、例えば自閉症スペクトラム障害(ASD)は「相手の気持ちを読み取ることが苦手」など、発達障害ごとの特性を解説。周囲に理解されず、ストレスから非行に走りやすいとし、本人の強みを伸ばす指導が有効だといった基本姿勢を示している。
改定では、障害の理解を深めることを主眼とした現行版から踏み込み、成長につながる効果的なコミュニケーション方法を、少年の変化に結び付いた働きかけの実例を挙げ紹介する。
少年院では集団行動が重視されるが、発達障害はそれぞれの特性に応じた対応が必要とされる。今後、法務省が具体的に指針を策定するに当たっては、例えば感覚が過敏で集団行動が苦手な少年に別行動を認めるといった配慮を、どの程度盛り込むかがポイントになりそうだ。
発達障害 生まれつきの脳機能障害が原因とされる。相手の気持ちを読み取ることが難しい「自閉症スペクトラム障害(ASD)」や不注意が多い「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、読み書きが困難な「学習障害(LD)」などの総称。人によって特性は異なり、複数の障害の特徴がある人もいる。