中部市町村会に加盟する10市町村が各庁舎で掲げていた「政府は日米地位協定を抜本的に見直せ!」の看板が、7月までに読谷村役場だけになったことが分かった。老朽化や庁舎の建て替えなどを理由に撤去された。
中部市町村会は2010年1月に日米地位協定の見直しを政府に求める決議を全会一致で可決し、それぞれの庁舎に看板を設置した。10年以上が経過し、老朽化などを理由に撤去が進んだ。中城村は新庁舎移転に伴う解体で21年秋に撤去した。宜野湾市は経年劣化で取り付け部分がさび、腐食が進んだため、今年7月の庁舎の修繕工事に合わせて撤去した。
看板を唯一残している読谷村の担当者は「現状では看板を残すことや撤去することについての議論は行われていない」と述べた。
看板の大きさは横約20メートル、縦約2メートル。設置当初は日米地位協定の改定を求める文言のみを記載していた。12年にMV22オスプレイが米軍普天間飛行場に配備される前後に、各自治体の判断で配備反対の文言を加えた新たな看板が設置された。
宜野湾市は9月26日の市議会9月定例会で、我如古盛英市議(社民)の質問を受けて撤去の理由を説明した。市は看板とは別にオスプレイ配備に反対する横断幕を庁舎内に設置しており、今後も継続するという。
中部市町村会に加盟する10市町村のうち、9市町村が加盟する県軍用地転用促進・基地問題協議会は、8月に日米地位協定の改定を求める決議を全会一致で可決した。看板を撤去した中城村と宜野湾市の担当者はそれぞれ、改定を求める姿勢は変わらないと説明した。(名嘉一心・石井恵理菜)