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「広島原爆遺跡」史跡に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 文化審議会は20日、被爆の痕跡や当時の姿を残す六つの建物からなる「広島原爆遺跡」(広島市)や、国内最大級の横穴墓群、十五郎穴横穴群(茨城県ひたちなか市)など9件を史跡に指定するよう盛山正仁文部科学相に答申した。近く答申通り告示される。被爆した建造物の史跡指定は原爆ドーム、長崎原爆遺跡に続き3件目となる。
 広島原爆遺跡は、爆心地近くの旧燃料会館(現・平和記念公園レストハウス)や、壁に窓ガラスの破片が突き刺さった痕が残る旧日本銀行広島支店、被害の一報を別の部隊に伝えたとされる旧中国軍管区司令部防空作戦室など。いずれも爆心地から2キロ以内にある。史跡になると、保存や活用のための整備に国の補助金を活用できる。
 十五郎穴横穴群は、7~9世紀に墓として使われた274基の横穴がある。江戸時代から昭和初期までの酒蔵が残る西条酒蔵群(広島県東広島市)も指定される。文化庁によると、酒蔵の史跡指定は初めて。
 また長崎原爆遺跡(長崎市)の史跡範囲に、被爆樹木のある山王神社境内などが追加される。