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猿之助被告 起訴内容認める 自殺ほう助 検察、懲役3年求刑


猿之助被告 起訴内容認める 自殺ほう助 検察、懲役3年求刑 初公判に臨む歌舞伎俳優市川猿之助被告(イラストと構成・松川久美)
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 両親に向精神薬を服用させ、自殺を手助けしたとして自殺ほう助の罪に問われた歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗(きのし)孝彦)被告(47)は20日、東京地裁(安永健次裁判官)の初公判で起訴内容を認め「申し訳なさを一生背負う」と謝罪した。検察側は「自分には歌舞伎しかない。許されるなら歌舞伎に関わり舞台に立ちたい思いがある」との供述調書を読み上げた。
 被告は最終意見陳述で「僕にしかできないことがあればさせていただき、生きる希望としたい」と述べた。
 検察側は「両親の自殺の意思は被告に誘発され、寄与した度合いが極めて大きい」として懲役3年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求め即日結審した。判決は11月17日に言い渡される。
 検察側は冒頭陳述で、被告は自身のハラスメント疑惑などに関する記事が出ることを知り「歌舞伎の仕事はもうできない」と思い、両親に自殺を考えていると伝えたと指摘。両親は「舞台はどうするのか」「周囲の人たちへの責任はどうするのか」と言ったが、被告は「責任に耐えられない。もうつらくて限界。自分を殺すしかない」と語り、話し合いの末、両親が先に、猿之助被告が後から自殺することを決めたと説明した。
 被告人質問で「自分と死んでほしいと両親に頼んだことはあるか」と聞かれ「そんなことはありません」と否定。最終意見陳述で「こんな僕を応援してくださるファン、多くの人につらい思いをさせ傷つけた。支えてくださる皆さまには感謝でいっぱい」と話した。

初公判に臨む歌舞伎俳優市川猿之助被告(イラストと構成・松川久美)