有料

ランサム 中心人物逮捕 日米欧で捜査 カプコン攻撃関与か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」を使い各国のインフラ事業者などにサイバー攻撃を仕掛けてきた国際犯罪グループ「RAGNAR LOCKER(ラグナ ロッカー)」について、警察庁は20日、フランスの捜査当局が中心メンバーとみられる外国籍の人物を逮捕したと発表した。
 米国や欧州9カ国の捜査機関と連携した国際共同捜査によるもので、グループが企業などから盗んだ情報をリークしていたウェブサイトの閉鎖に追い込んだ。捜査関係者によると、ゲーム大手カプコン(大阪市)が顧客や取引先に関する情報を盗まれるなど、日本でも2020年ごろから複数の企業がこのグループの被害を受けた。
 構成人数などグループの実態や被害の全容については不明な点が多く、今後の捜査での解明が待たれる。米司法省が今年5月に訴追したロシア国籍の男も、カプコンへの攻撃に関与したとの情報があり、日本の捜査当局がグループとの関連を調べている。
 盗んだデータの暗号化に加え、身代金を支払わなければ公開すると脅す「二重恐喝」の手口が特徴。
 警察庁によると、フランス当局は現地時間の今月16日、ランサムウエア犯罪グループの「主要なターゲット」とするチェコ在住の人物を逮捕。さらに欧州刑事警察機構(ユーロポール)などが主導し、スウェーデンにあったリークサイトのサーバーを押収した。