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支え続けた姉「真実望む」 袴田さん再審 巌さん代理で出廷


支え続けた姉「真実望む」 袴田さん再審 巌さん代理で出廷 袴田巌さんの再審初公判に出廷するため、静岡地裁に向かう姉ひで子さん(前列左から2人目)と弁護団ら=27日午前
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 「真実を望む」。支え続けた姉が法廷に立った。静岡県清水市(現静岡市)の一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審初公判では、静岡地裁周辺に多くの人が集まり、「無罪になって早く安心して」との声が寄せられた。長期収容の影響が残る巌さんは出廷せず、自宅などで支援者らと過ごした。
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 巌さんに代わり、姉ひで子さん(90)が補佐人として法廷に。15人ほどの弁護団に囲まれて座り、目の前に分厚いファイルを置き、資料をめくりながら起訴状朗読に耳を傾けた。罪状認否では立ったまま紙を読み上げ「紆余(うよ)曲折、艱難(かんなん)辛苦があった。巌に真の自由をお与えくださいますようお願い申し上げます」と述べ、深く頭を下げた。検察側の冒頭陳述の際は、時折首をかしげて検察官を見つめた。
 支援者によると、巌さんは前日から腰を痛がったが、ひで子さんが浜松市の自宅を出発した後に起床し、普段と変わらない様子で午後には日課の散歩に出かけた。
 地裁には26の一般傍聴席を求め、280人が列を作った。静岡市の高校1年関川侑珠名(うたな)さん(16)は「無罪を示す証拠がたくさんある。高齢なので早く安心して生活してほしい」と願った。
 支援者らは周辺で「早く死刑囚という鎖を外して」などとアピールし、早期判決を求める署名を集めた。
袴田巌さんの再審初公判に出廷するため、静岡地裁に向かう姉ひで子さん(前列左から2人目)と弁護団ら=27日午前