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池袋暴走遺族を「殺す」 警視庁本部に脅迫電話


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2019年の東京・池袋の乗用車暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(37)を名指しし「近いうちに殺す」と脅す電話が警視庁本部にあったことが29日、分かった。松永さんが取材に明らかにした。
 松永さんが警視庁から受けた連絡によると、電話は28日昼ごろ、暴力団を名乗る男の声であり、「年のいった受刑者に金を払わせるのはおかしい。近いうちに松永を殺す」との内容だった。
 事故を巡っては、松永さんら遺族が、車を運転していた旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三受刑者(92)=禁錮5年の実刑確定=らに損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は27日、計約1億4千万円の賠償を飯塚受刑者側に命じた。判決が確定すれば、保険会社が賠償金を支払う。
 電話はこの判決を受けたものとみられ、松永さんは取材に「受刑者と直接お金をやりとりすることはない。こういった形で誤解され、悲しく苦しい。正しい背景を知ってほしい」と話した。