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古都 にぎわい戻る 古式行列 首里城復興願い込め


古都 にぎわい戻る 古式行列 首里城復興願い込め 大勢の観客が見る中、守礼門を抜けて練り歩く「首里城復興祭」の古式行列=3日午後、那覇市の首里城公園(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 琉球王国時代に国の安泰と豊作を祈願するために、国王が正月に円覚寺、天王寺、天界寺を参詣する儀式「三ヶ寺参詣行幸」を再現する古式行列(琉球王朝祭り首里)が3日、6年ぶりに通常開催された。2019年の首里城焼失やコロナ禍を乗り越え、盛大に開催された古式行列に、観客らは古都首里の雰囲気を満喫した。首里地域にある旗頭や獅子舞など総勢1300人による祝賀パレードも行われた。 (1面に関連)
 家族4人で数年ぶりに古式行列を見に来たという那覇市首里石嶺町出身の瀬名波幹雄さん(44)は「琉球王朝祭りは首里の人にとって大事な祭りだ。久々に多くの人でにぎわってうれしい」と語った。
 琉球王朝祭り首里を主催する首里振興会の玉那覇美佐子理事長は「文化の日に6年ぶりに琉球王朝祭り首里を通常開催することができ、感無量だ。普段は静かな地域だが、祭りの日は活気に満ちており、首里全体が元気になっている」と笑顔で語った。
 首里城復興祭は5日まで。4日は国王と王妃が奉神門から登場し、一般観覧者の前を練り歩く「国王・王妃出御」があり、5日は国際通りで4年ぶりとなる「琉球王朝絵巻行列」が行われる。首里城復興特別見学ツアーや琉球芸能公演など多彩な催しも行われる。
 首里城正殿は26年秋に完成予定。焼失前の祭りは「首里城祭」として実施していたが、正殿完成までは復興への願いを込めて「首里城復興祭」としている。
 (吉田健一)