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関東大震災 沖縄女性被害 識者に聞く 当時の女性労働 たくましく生きていた 大城道子さん(女性史研究者) 


関東大震災 沖縄女性被害 識者に聞く 当時の女性労働 たくましく生きていた 大城道子さん(女性史研究者)  大城道子さん
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 大正から昭和にかけて本土の紡績工場に出稼ぎに出た女性たち約200人に聞き取りした。女性たちは「家族のために」という気持ちがとても強かった。現金が入り、自分の好きな着物も買えるし、親にもお金を送ることができるという喜びもあった。

 沖縄出身の女性は真面目でよく働くという一定の評価も得ており、寮長らにかわいがられた。リーダーの資質を育てて地元に戻り、地域のまとめ役になる人もいた。

 寄宿舎では他県出身者や食堂の男性炊事係から差別的な扱いを受けたと話す人が多かった。トイレが汚れていたり、物がなくなったりすると「沖縄出身者のせいだ」といじめられた。

 それでも泣き寝入りせず言い返してけんかになった。話せばお互い貧しい農村から来ており、仲良くなることもあった。

 食堂では古く酸っぱくなったご飯を出されたことに抗議もしていた。悲惨でかわいそうなだけの存在ではなかった。たくましく生きていたんだなと思った。