有料

在宅医療、薬局も連携を 介護の日講演 服薬指導 大切さ語る


在宅医療、薬局も連携を 介護の日講演 服薬指導 大切さ語る 在宅医療者の健康管理には、薬局による服薬指導も重要と語る泰川恵吾院長=8日、那覇市の県総合福祉センター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県社会福祉協議会は8日、11月11日の「介護の日」を前に、急速に進む高齢社会における在宅医療と介護の連携について考える講演会を、那覇市の県総合福祉センターで開いた。宮古島市で25年余在宅医療を続ける、医療法人鳥伝白川(とりでんしらかわ)会ドクターゴン診療所の泰川恵吾院長が「住み慣れた地域で自分らしく生きるために」をテーマに講演した。
 泰川院長は、高齢者人口と比例して在宅医療の需要が増す中、介護分野と合わせて、薬局との連携が必要と強調。服薬指導を理解してもらえず患者が死亡した事例や、全国では薬局による訪問服薬指導件数が増えつつあることを説明し、「薬剤師の方々にはもっと在宅医療に参加してほしい」と呼びかけた。
 患者対応については、医療への忌避感がある患者との対話によってみとりまで支えた事例や、リハビリを通して患者の気持ちが前向きになり、床ずれなどの回復が早まった経験など、在宅医療のやりがいも強調した。
 こうした離島医療体制を維持し、発展させるためには「医療や介護を提供する側が責任感で消耗しないように、支える側への環境づくりも大事。また、各地域で(在宅医療の)けん引役となる人材の育成も必要だ」と語った。 (嘉陽拓也)
在宅医療者の健康管理には、薬局による服薬指導も重要と語る泰川恵吾院長=8日、那覇市の県総合福祉センター