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細田前衆院議長 死去 79歳 官房長官、自民幹事長歴任


細田前衆院議長 死去 79歳 官房長官、自民幹事長歴任 細田博之氏
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 前衆院議長で官房長官や自民党幹事長などを歴任した衆院議員の細田博之(ほそだ・ひろゆき)氏が10日午前10時58分、東京都の病院で死去した。79歳。死因は多臓器不全の可能性があるが特定されていない。島根県出身。自宅は松江市堂形町738の2。葬儀・告別式は15日午前10時から東京都品川区西五反田5の32の20、桐ケ谷斎場で。喪主は長男明伸(あきのぶ)氏。体調不良を理由に10月、議長を辞任。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が取り沙汰されていた。 (17面に「評伝」)
 衆院島根1区補欠選挙は来年4月に実施される公算が大きい。
 通産官僚を経て、1990年衆院選で旧島根全県区から初当選し、連続11期務めた。衆院議長には2021年11月に就任。23年7月、脳梗塞の症状が出て入院して以降、公務の欠席が続いた。10月20日、任期途中で議長を辞任した。
 旧統一教会との接点が判明して以降、説明が不十分だと批判を受けた。10月13日、記者会見に応じたが「会合に呼ばれれば出る程度で、特別な関係はない」と述べるにとどめた。女性記者へのセクハラ疑惑報道を巡っては被害申告がなく「単なるうわさ話だ」と事実関係を認めなかった。記者団の質問が続く中「あくまで辞任会見だ」として50分余りで打ち切った。
 実務能力の高さに定評があり、小泉純一郎、福田康夫、安倍晋三各元首相らの信望が厚かった。14年に故町村信孝元衆院議長の後継として、党最大派閥の清和政策研究会の会長に就いた。議長就任に伴い安倍氏と交代するまで7年近く務めた。
 18年には党憲法改正推進本部長として9条への自衛隊明記など党改憲案4項目をとりまとめた。選挙制度を熟知する政界屈指の選挙通として知られ、衆院小選挙区定数の「10増10減」を批判したこともあった。カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)整備に向けた政界の推進役も担った。