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杉田氏、アイヌ事業やゆ 関係者に「公金チューチュー」


杉田氏、アイヌ事業やゆ 関係者に「公金チューチュー」 杉田水脈氏
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党の杉田水脈衆院議員は11日までに、保守系月刊誌のユーチューブ番組に出演し、アイヌ文化振興事業に公金不正流用疑惑があるとの見方を示した上で、関係者を「公金チューチュー」とやゆした。昨年12月の総務政務官辞任について、アイヌ関係団体に直接謝罪するのが嫌でやめたと明らかにした。アイヌの人々の名誉と尊厳を傷つける発言で、強い批判を呼びそうだ。
 インターネット上では、マイノリティー(少数者)の支援団体や当事者らが補助金などを必要以上に得ているとして「公金チューチュー」と呼んで卑しめる向きがある。杉田氏の発言はこれをなぞったもので「流行語大賞にノミネートされても良かったと思いますけれどね」とも語った。
 番組でアイヌや沖縄、在日コリアン、被差別部落、LGBTなどに関する支援運動の動きをチェックしていると強調。「そういうふうな人たちが、どこでどんなことをしているのか。全部頭の中に入っている国会議員は私ぐらいしかいない」と自賛した。
 札幌と大阪の法務局から人権侵犯と認定されたアイヌ民族や在日コリアンを侮辱する言動については「民族差別をしたわけでなく、(支援活動する)人たちのことを書いた」として正当化した。
 政務官辞任を巡っては、アイヌ民族や学者らでつくる市民団体「アイヌ政策検討市民会議」から自身の言動に直接謝罪を求められたのがきっかけだったと説明。市民会議が安倍政権に反発していたなどとして「こんな団体に謝罪するぐらいなら、私は政務官をやめます(と伝えた)」と振り返った。