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10年ぶり組踊「大城大軍」上演 熱演に大きな歓声、継承へ初の試みも 南城・大城区


10年ぶり組踊「大城大軍」上演 熱演に大きな歓声、継承へ初の試みも 南城・大城区 10年ぶりに上演された南城・大城区の組踊「大城大軍」=12日、南城市大里大城
この記事を書いた人 Avatar photo 上江洲 仁美

 【南城】南城市大里大城区に伝わる独自の組踊「大城大軍」が12日夕、大城集落センター前特設ステージで10年ぶりに上演された。地謡を含め33人が出演し、若按司が父の敵である大里按司を倒すあだ討ちの物語を熱演した。舞台横に大勢の立ち見客が出るほど多くの観客が詰めかけ、大きな拍手と指笛を送った。

 戦前から上演されていたという「大城大軍」は一時途絶えたが、1989年に人間国宝の宮城能鳳氏の指導を受けて復活した。現在は10年おきに上演している。

 若按司の軍勢が大里按司と戦う場面では、迫力の殺陣を披露した。若按司が大里按司を討ち取ると、歓声が上がり、舞台と観客が一体となるような盛り上がりを見せた。

 上演前には、組踊を次世代に継承する初めての試みとして、子どもたちが組踊のダイジェスト版を解説しながら演じる、子ども組踊もあった。

 89年の復活公演で若按司を演じ、今回は監督を務めた島袋尚栄さん(69)は「みんなができる限りの力を出して、練習よりも気合が乗っていた」とを舞台を終え、ほっとした表情を見せた。若按司を演じた島袋克基さん(33)は「100パーセントの出来とは言えないが、これからも組踊にも携わっていきたい」と継承に意欲を見せた。

(上江洲仁美)