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謝罪も歯切れ悪く 宝塚理事長 「対話」繰り返す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「歌劇団の大切な仲間を守れなかった」。所属俳優(25)が急死した問題で14日記者会見した宝塚歌劇団の木場健之理事長らは深々と頭を下げた。一方で、遺族側が訴える上級生のパワハラやいじめは外部の弁護士らによる調査で確認されなかったと説明。報道陣からは遺族側主張との隔たりに関する質問が相次いだが「まずは遺族ときちんと話をする」と歯切れの悪い回答を繰り返した。
 兵庫県宝塚市内のホテルで開かれた記者会見には報道陣50人以上が出席。冒頭、木場氏は神妙な表情で遺族らに謝罪した。組織の体質改善に向けた本気度を問われると「宝塚歌劇にとって今回のことは危機的状況。強い危機感を持ってやりたい」と強調した。
 上級生からのいじめやパワハラについて、木場氏らは「長時間の活動で精神的に疲弊する中で上級生の指導もあり、心理的負荷がかかった」と説明。何らかの影響はあったとの認識を示した。
 報道陣からは「初めて会った弁護士に俳優らが心の内を話すのか」などと調査の実効性を疑問視する質問も出た。
 木場氏らは「本音は聞き取れたと考えている」「終わりと考えているわけではない」などと主張。遺族側が納得しなかった場合の再調査の可能性についても「遺族と向き合う中で対応していきたい」と述べるにとどめた。