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ガザ巡り ハッカー活発 日本企業も標的に


ガザ巡り ハッカー活発 日本企業も標的に 日本へのサイバー攻撃を宣言したパキスタンのハッカー集団「チーム・インセイン・パキスタン」が、通信アプリのテレグラムに掲載したイメージ画像
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘を巡り、政治的な主張を目的にサイバー攻撃をするハッカー集団「ハクティビスト」の行動が活発になっている。NTTセキュリティ・ジャパン(東京)は、パレスチナ支援とイスラエル支援の双方合わせて世界で100以上のハッカー集団の活動を検知。日本の企業や政府機関のウェブサイトも狙われた。
 ハッカー集団は大量のデータを送り付けてサイトを閲覧不能にするDDoS(ディードス)攻撃を実行。同社は日本企業に「対岸の火事でないと警戒してほしい」と呼びかけている。
 「日本への攻撃を開始する。イスラエルを支援する企業や政府関連施設がたくさんあり、日本のセキュリティーシステムはイスラエル政府が作った」。11月1日、通信アプリのテレグラムにパキスタンのハッカー集団「Team Insane Pakistan(チーム・インセイン・パキスタン)」の英文メッセージが投稿された。
 自民党や経団連、東京都や在日イスラエル大使館に加え、ニュース配信の「ヤフーニュース」など、日本のサイトへの攻撃を宣言。自民党や経団連のサイトは一時、閲覧しにくくなった。ハッカー集団のリーダーは取材に対し「日本の重要な14のサイトを攻撃対象に選んだ」と説明した。2日には日本語で「攻撃を止めてほしいならイスラエルへの支援をやめなさい」とテレグラムに投稿した。
 NTTセキュリティによると、10月7日のハマスによるイスラエル奇襲直後から、ハクティビストが活動を始めた。パレスチナ支援の集団は約90、イスラエル支援は約20に上る。中東やアジア、アフリカのグループが大半だ。2022年のロシアのウクライナ侵攻後と違い、欧米のグループの活動は鈍いという。
 同社は「イスラエルやパレスチナ関連の攻撃できるサイトは攻撃し尽くした。日本などイスラエルやパレスチナを支援する国に攻撃対象を広げつつある」と指摘している。