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柿沢氏、現金配布指示か 江東区長選 地検、買収容疑で捜査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京都江東区長選を巡る公選法違反事件で、自民党の柿沢未途衆院議員(52)が秘書らに対し、区議らへの現金配布を指示していたとみられることが17日、関係者への取材で分かった。取りまとめ役の秘書を通じ、地域ごとに担当を割り振られた複数の秘書に指示が伝えられ、現金提供を持ちかけていたとされる。
 東京地検特捜部が柿沢氏の買収容疑で16日に地元事務所などを家宅捜索していたことも判明。柿沢氏は区議選の陣中見舞いで違法性はないとの認識を周囲に示しているが、柿沢氏に買収の意図があった疑いもあるとみて、現金の趣旨を調べる。
 関係者によると、実際に現金を配布できたかどうかなどは、取りまとめ役の秘書を通じ柿沢氏に報告されていたという。
 柿沢氏は4月の区長選で木村弥生前区長(58)=今月15日付で辞職=を支援。自民党の推薦を得た元都議の山崎一輝氏(50)との保守分裂の争いになり、同日程で区議選も実施された。
 ある自民会派区議は、柿沢氏の秘書からあいさつをしたいと電話で連絡を受け、2月に議会棟で面会した。「柿沢議員から陣中見舞いを預かってきました」と言われたが、その場で断った。これまでの区議選で柿沢氏から支援されたことはなく「違和感を覚えた」という。封筒などは見ていないが、現金だと受け止めたとしている。
 一部の区議は柿沢氏側から1万~20万円を受領したとみられる。いずれも陣中見舞いだとしている。