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回復者支援、SW配置 ハンセン病協議会 高齢化に対応


回復者支援、SW配置 ハンセン病協議会 高齢化に対応 「生きている間にハンセン病問題を解決してほしい」と語る平良さん(右から2人目)=20日、那覇市松尾の八汐荘
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 県ハンセン病問題解決推進協議会が20日、那覇市松尾の八汐荘で行われた。高齢化が進む回復者を支えるため、相談窓口となる県ゆうな協会に今年からソーシャルワーカー(SW)を1人配置したほか、今後、宮古島市にもSWを1人配置するなど、医療や介護に関する計画などが報告された。
 SW配置の前提として、県ハンセン病問題解決推進協議会の生活支援部会からは「ゆうな協会の機能が十分に果たされていない」と指摘があった。生活の不自由度に悩む回復者を支援するSWには、聞き取った状況を医師や介護保険制度の調査員へ適切に伝える役割を担ってもらうという。
 介護保険で対応できない家事や移動支援のニーズが高いことから、生活支援相談員を配置できないか、厚労省を含めた関係機関で調整していることが報告された。
 沖縄ハンセン病回復者の会共同代表の平良仁雄さん(84)は、国による隔離政策を含めた長い差別の歴史を振り返り「回復者が過去を隠さずに利用できる支援を行政は真剣に考えてほしい」と指摘。高齢により「時間がない」と早期実現を強く求めた。 (嘉陽拓也)